猫猫展III 8/24-9/4 2007 羊画廊
 仕事をしている時、ふと窓の方に目をやると”ニャー”と口を大きくあけて、猫がこっちを見てないていた。「早く中にいれろー。」と言わんばかりにないている。白地にグレーのブチ、耳と鼻がピンク色の猫。名前は、グリム。彼は、それからだいたい同じ時間に”ニャー”とやってきて、私のマッサージをうけ、どこかへ去って行く。次に行く家も決まっている らしく、そこではおやつをもらう事になっている。グリムは、近所の人気者だった。あっさりさっぱりした猫で、まるで1日のスケジュールを決めているかのよう。
 自分の意志で、自分で行動。猫を見るといつもそう思う。この塀が居心地がいいから、ここで寝てるんだろうなーとか、この猫たちと気が合うから一緒にいるんだろうなーとか・・・。それぞれ自分の考えがあるのだろう。最近、首輪をして散歩している猫を見かけた。下町路地裏の猫とは、まるでちがう種類に見えた。猫は、やっぱり自由奔放であるべきだ!と、思う。
 今回の猫猫展には、どんな猫たちが集まってくるか楽しみだ。それぞれの猫の表情から、その猫の暮らしっぷり、性格など想像しながら見てみるのも、きっと楽しいだろう。 (菅野由貴子)

「マートルさんの猫」 30.0 × 30.0 cm
板にアクリル・パステル・コラージュ 2007年

 1973年神奈川県生まれ。東京、新潟で個展・グループ展を多数開催。
 著書に『へんしんねこた』『つぶらさん』(以上ポプラ社刊)『まよなかなのおはなみ』(福音館書店刊)
 『むしのチロリンコンサート』教育画劇刊)などがある。