羊画廊 HITSUJI-GARO

飯田春行 遺作展 <油彩小品とデカルコマニー> 6月9日(金)〜20日(火)

IIDA Haruyuki Exhibition  June 9. - June 20. 2023

2023.6.9 会場風景   動画はコチラ・・・羊画廊YouTube

<同時開催>
飯田春行 遺作展 6月15日(木)〜19日(月) 10:00〜17:00(最終日は13:00まで)
まちなかギャラリー/新発田市中央町3丁目13番3号(健康長寿アクティブ交流センター内)

画廊を辞めようとしたことがあった。開いてから5年くらい過ぎたころだと思う。
人見知りで愛想が悪い私は接客という仕事が心底嫌で苦しかった。その私を助けてくれたのが飯田さんの言葉だった。
「愛想の悪い画廊主はザラにいる。いろんな画廊があっていいんだ」
なかなか展覧会の予定を立てられないことを話すと、自分が個展をするからと言ってくれた。
以来、彼が亡くなる昨年まで飯田春行展は30回にせまる開催を重ねた。
彼の作品との出会いは画廊を開いた年の新潟県展でのことだった。
暗いモノトーンの背景に痩せた裸婦が描かれていて「座する裸婦」という題名ではなかったかと思う。
魅力あるマチエールが印象的であった。それから少し日が過ぎた時、飯田さんと初めて会った。
バイクで乗り付けた彼は年下の私に親しく声をかけてくれる人であった。
くだんの作品の作者であることを知り、私が県展作品での印象を伝えると大変よろこんでくれた。
そしていつの間にか親しく話をするようになった。
晩年に向かうにつれ作品から裸婦や具体的なモノの形が消えていった。
画面に絵の具を塗り込め、拭きとりを繰り返す作業が中心になっていった。
薄く塗り重ねられた絵の具の層も次第に厚くなり、凸凹になり、壁のようになり大地のようになった。
私はその大地を切り取ったような画面に惹かれていた。
油彩、デカルコマニー合わせて20点を展示。(K)

<略歴>
1933年新潟県生まれ。1956年新潟大学教育学部芸能科油絵科卒業。
1963年自由美術協会展初出品、以後出品。(1966年佳作作家賞)
東京・新潟などでで個展・グループ展多数。2022年6月17日永眠。

「無題1」 27.3×22.0cm 油彩 2013年

「Space 4」 33.5×22.0cm
油彩、キャンバス 2017年

「地霊(り)」 40.9×31.8cm
油彩、キャンバス 2012年

「地霊1」 40.9×31.8cm
油彩、キャンバス 2015年

「地籟」 33.5×53.5cm 油彩、板 2010年

「デカルコマニ1」 15.0×9.0cm
デカルコマニ 2013年

「デカルコマニ2」
14.0×20.0cm デカルコマニ

「デカルコマニ5」
7.8×5.3cm デカルコマニ

「デカルコマニ3」
6.8×4.8cm デカルコマニ
「ガラス絵1」
9.8×5.7cm ガラス絵

「墨彩 ロ」 45.5×53.0cm

「墨彩 イ」 53.0×45.5cm

「墨彩 ニ」 46.0×38.0cm 2018年