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今回の展覧会は「岩」がテーマになっています。 ツヤっとした黒、ざらざらとした白、一見全く違う材料を使っているように見えますが、 意外にも全て同じ粘土から作られているそうです。 黒い部分は焼く前に金属などで磨き、焼いて燻して色をつける。白い部分は手を加えずそのまま焼く。 焼き方を変えることによって、同じ材料でも異なる表情を付けることができるそうです。 焼き物というと、普通は茶碗やお皿などを思い浮かべますが、今回展示されている作品は実に色々な形を しています。 同じように岩に座る人たち、しかしそれぞれに考えていることは違うんじゃないだろうかと、 見る側の想像も様々にふくらんでいきます。この多種多様な形は普通の焼き物では出来ないのだそうです。 佐藤さんが使っていらっしゃるのは「黒陶」という粘土で、焼く時の温度は約750度と、 普通の焼き物よりも温度が低いとのこと。 高い温度で焼いてしまうと、割れたり傷がついたり、 そもそも表現できる形が制限されてしまうそうです。 「黒陶」だからこそ出来る自由な形。 ここに大きな魅力を感じているから、おもしろいから20年続けているんです、 と佐藤さんはお話ししてくれました。(2006.4.7 山田ナツミ) |
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