2015.2.20　会場風景

釣りキチ少年で昆虫採集も大好きだった私には、目を閉じると瞼に浮かぶ光景があります。
それは魚や昆虫を追って過ごした里山の光景です。田畑があり、川が流れ、その後ろには山がありました。
少年時代の思い出は、色彩豊かな自然と、そこに生きる生物たちと共にあります。
自然の生物を描いている私の底流には、自然と付き合い、自然を肌身で感じた体験が色濃く反映されているのでしょうか。
気がつくと50歳をとうに過ぎてしまった最近、少年時代の故郷の光景を思い出します。　（安藤真司）

＜略歴＞
1960年岐阜県生まれ。1989年東京芸術大学大学院美術研究科修士修了。
1992年より国内外で個展・グループ展を多数開催。1990年日本具象版画展（優秀賞）。
1991年版画「期待の新人作家」大賞展（大賞）。1993年日本版画協会版画展（日本版画協会賞）。
1995年文化庁優秀美術作品買上げ。2010年文化庁在外研修員（サンフランシスコ）。

「赤い誘い」　36.5×52.7cm
エッチング、アクアチント、ドライポイント 　 2014年