2011.3.24 会場風景
 
宮下拓実 3月24日(木)〜29日(火)  羊画廊 
若きアーティストに、或いは「若者」に、何を期待しますか?
その答えが何であれ、是非、宮下拓実という若者の絵を見て下さい。 間違いなく、答えの一つが、そこにあります。
正直この若者、「画家」という物差しでいうなら多分、絵は下手です。コンテスト入賞経験もなく、個展も初めて。
そもそも彼は、「絵画」、というものを殆ど描いた事がありません。
なぜなら彼は、今まで、マンガを描いていたのです。白い紙、黒い墨汁、何ページにもわたる物語。
そんな彼が、マンガの表紙として大胆なカラーの絵を描きました。その一枚がきっかけで、この展示会の機会を得たのです。
失敗を恐れ、未経験を理由に、尻込みする若者は大勢います。でも彼は違いました。
知識なし、作戦なし、経験もなし。あるのは唯、「挑戦」という二文字だけ。
自分の中の「人を超えた何か」を、表現しようと精一杯あがきました。モノクロをカラーへ、何十枚の世界を一枚へ。
だから、洗練された作品は期待しないでください。描かれた天使や悪魔の出典も、この際忘れた方がよいのです。
素直に、絵が発するパワーの放射を浴びてください。
画廊に絵を見に行く、というよりも、珍しいパワースポットを訪れてみる、位の気持ちでお出かけください。
他では滅多に見る事のできない展示であることは、間違いありません。(高橋由美・日本アニメ・マンガ専門学校教務部長)

夢中になってバリ島の神様をアクリル絵具で描いている学生がいる。
それを聞いたのは昨秋のこと。
専門学校での専攻はマンガだという。
とにかく授業以外にも絵を描きまくっているという。
隣県のテーマパークで神様たちと出会ったという。
どうやら漫画家志望の宮下君は、そこで神様ではなく
芸術の悪魔に取り憑かれたようだ。
昨年の学生鉄屑彫刻家、下平大輔君に続く学生アーティストシリーズ第2弾。
お楽しみに。(K)


<略歴>
1988年生まれ。新潟県阿賀野市出身。
日本アニメ・マンガ専門学校マンガクリエイト科所属。
2011年新潟日報夕刊「みにみにみゅーじあむ」作品掲載。
「夢魔達に襲われる少年 」
41.0×32.0cm キャンバス、アクリル絵具 2011年