佐藤仲也
キャッチボールが苦手だ。
ボールを投げればとんでもない方向へ飛んでいくし、取るときには落球したり後ろにそらせたりする。
だけど、去年、ここ(羊画廊さん)でさせてもらったキャッチボールは、私の中の何かを変えるきっかけになった。
高ぶる気持ちのまま、投げる方向すら見ようともせず、ただ力いっぱい投げたボールを、
多くの人が受け止め、そして投げ返してくれた。
まごつきながら、とまどいながら、受け止めた多くのボール。
投げたボールがすべて返ってきたこと、それがとても嬉しかった。
苦手でもなんでも、やらなければ気づかないことがあることを知ることができた。

そして今年、受け止めたボールをもう一度投げ返す機会を与えてもらった。
苦手な思いは相変わらずだけど、またもう一度ボールを投げることができる嬉しい気持ちを今、じっくりとかみしめている。
食器、花器など100点以上を展示、販売予定しております。(佐藤仲也)

<略歴>
1976年、村上市に生まれる。
2006年、父・佐藤公平に師事、五鬼原窯にて作陶を始める。
2009年個展(羊画廊)。
新発田市在住。
「彩色皿」 径 23 cm 2010年