飯田春行
「地霊」
去る1月12日、ハイチ共和国の首都が大地震に見舞われた。
犠牲者は10万人を超すと言う。
大地は我々に多くの恵みを与えてくれるが、同時に大きな災厄をももたらす。
大地はたしかに生きている。
人智を超えた自然の摂理。祈るしかない。
私にとって白いカンバスは恐怖の外の何物でもない。
ただひたすら祈りを込めて、その大地を彷徨うばかり。
手探りの痕跡がただ記されるのみである。

 除けられし雪骨上げに似て果無 ( 飯田春行)

「雪景」
45.5×37.9cm
キャンバスに油彩
2009年
略歴
1933年新潟県生まれ。新潟大学教育学部芸能科卒業。
1966年自由美術協会展・佳作作家賞。
1980、81、82年現代の裸婦展(日動画廊)。
1998年から1999年スペインひとり旅。2009年個展(羊画廊)
新発田市在住、自由美術協会会員。
2010.03.23 会場風景