門坂 流
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私の表現の原点は、流れる水や風になびく稲穂や炎の流動する自然を視ているのが好きだった幼年期にあると思います。 モチーフの全体を、眼の焦点を少しずらせて視ていると、全体が渾沌とした粒子の流れに溶け込みはじめ、 日常の世界の意味が消え、世界が異なった相貌を呈しはじめます。 その流れをできるだけ忠実に手の運動と共鳴させるようにして線に移し替えていきます。 “視えるがままに”手を動かすという単純で限定された行為の集積が私の絵です。 初期の15年位は硬質な鉛筆やペン、面相等、先端がシャープな道具で表現していましたが、 銅版画のエングレーヴィングを試した時に、これこそが私の求めていた道具・技法である事を確信し、 以来現在まで私の主な表現方法になっています。 約20点を展示予定です。(門坂 流) |
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